1.料金改定の経緯

平成29年11月  出雲市長から出雲市水道料金等審議会へ「水道料金の額」と「改定の時期」について諮問

平成30年10月  出雲市水道料金等審議会から出雲市長へ答申。

          「平均改定率:12.5%、改定の時期:令和2年4月」

平成31年 3月  出雲市議会で出雲市水道事業給水条例の一部改正(料金改定)を可決

 

 審議会委員は、大学教員や税理士等の有識者、地元企業や各種団体及び市内各地域からバランスよく選出された地元代表者4名を含む12名の委員により、約1年にわたり7回の審議会を開催して、慎重な審議と検討を行いました。

 詳しい審議状況等は出雲市水道料金等審議会のページをご覧ください。

審議会01 審議会02
【審議会での審議状況】 【答申の様子】出雲市長(左)に答申書を渡す糸原会長(中央)、山根副会長(右)

2.水道事業の概要

(1)水道事業の概要(平成30年度末)

給水区域内人口 145,718 人
給水人口 144,407 人
普及率    99.1 %
給水戸数  55,477 戸
給水面積  236.48 ㎡
水道管の総延長   1,777 km

水道管の総延長

 →鹿児島県から北海道までの距離に相当する長さがあります。

 →出雲市の給水人口一人当たり管路延長 12.3m

 (全国平均 5.6m(平成27年度末))

 

(2)事業の状況

1.はじめに

現状

 現在、水道事業は、全国的に人口減少や節水機器の普及から、給水量が減少となり、それに伴って料金収入が減少し、経営状況が悪化するという環境に置かれており、厳しい「冬の時代」を迎えています。本市水道事業も例外ではありません。

 

2.年間総配水量と有収率

年間配水量

 平成28年度から平成29年度は、簡易水道事業の統合により水量は増加しています。しかし、平成29年度から平成30年度は、約23万立方メートル減少しています。

 地方公営企業である水道事業の経営は、税金収入ではなく皆さまからいただく料金収入でまかなっておりますが、昨今、節水機器の普及などによる水需要の減少やお風呂よりもシャワーを使うなどの生活様式の変化によって、料金収入が減少する傾向にあります。また、将来的に、人口減少が進むことによる料金収入の減少も想定されます。

 一方で、水道施設の更新や耐震化のための支出が増加している状況です。

 

 

3.簡易水道事業統合の背景

簡水統合の背景

 簡易水道事業は、料金収入だけではなく税金も投入する水道であり、国から維持管理の効率化、災害などの危機管理への対応強化のため、平成29年度までに水道事業に統合するよう指導がありました。

 当時、本市の簡易水道事業の多くの施設は、老朽化に伴う更新時期を迎えていたことから、平成19年度に統合計画を策定し、施設の更新整備を進め、平成29年度からすべての簡易水道事業を上水道事業に統合しました。

 増えた施設を維持管理するための費用も増加した結果、事業の経営状況は厳しくなりました。なお、県内すべての水道事業体が、上水道への統合を選択しています。

 ※簡易水道事業とは……給水人口101人以上5000人以下の小規模な水道事業

 

(3)施設の状況

1.管路の布設年度別延長

管路布設年度別延長

 水道事業は、高度経済成長期からの施設の急速な整備により、事業展開する区域を拡げてきました。

 現在、維持管理する水道管の総延長は1,777kmにも及びます。そのうち、全体の24.9%(約442km)が法定耐用年数の40年を超過しており、老朽化が進んでいます。

 漏水

 これは老朽化により漏水した水道管の写真です。水道管を更新しないままでいると、このような漏水が突然起きるかもしれません。【平成30年 出雲市湖陵町】

2.区分別管路延長

区分別管路延長

 管路は、断水時などの影響が大きい基幹管路を中心に耐震化の取組を行っていますが、耐震化率はいまだに36.8%のため、引き続き計画的に取組む必要があります。

 

(4)経営状況

1.給水原価と供給単価の推移

給水原価・供給単価

 平成29年度から供給単価を給水原価が上回り、利用していただけばいただくほどに収支が赤字になる状況です。

 ※平成26年度から会計制度の改正により、給水原価の計算方法を変更しています。

 

2.過去3年間の収益的収支

収益的収支

 維持管理に係る収支では、統合した簡易水道事業に係る支出が収入を大きく上回った結果、平成29年度から経営状況が悪化し、営業利益は赤字、最終的な利益である純利益は大きく減少しています。

 

3.企業債残高の見通し

企業債残高の見通し

 

 

 企業債残高とは、水道事業が銀行などから借り入れしている残高のことを言います。

 近年、繰上返済を進めてきたことに加えて、新しい借入を抑えてきたことから減少していましたが、簡易水道事業の統合により、平成29年度は前年度に比べて約63億円増えて約148億円になりました。

 

4.内部留保資金残高の見通し

内部留保資金残高の見通し

 このような厳しい状況が続いている中、料金改定をしなければ純利益が確保できず、事業の運転資金と施設の整備や拡充などにかかる費用の財源となる内部留保資金が令和6年度には枯渇してしまいます。

 

 

3.課題とその解決

(1)平成30年の主な自然災害

平成30年主な災害

 水道は私たちの生活に欠かすことのできない重要なライフラインであり、将来にわたって高い安全性が必要な施設です。

 常に良い状態であるように整備が必要であるうえ、全国的に大規模な災害が頻発する中で、災害に強い施設とするため、老朽化の進行や耐震化の遅れは早急に解決しなればならない課題です。

 

(2)課題とその解決

課題と解決

 いつでも安全で安心な水を安定供給することが水道事業の使命です。経営の安定化を図り、施設整備を推進するため、料金改定による収入の確保をすることとしました。

4.料金改定の基本的な考え方

(1)料金を算定する期間

料金算定期間

 ただし、算定期間は4年間ですが、令和9年度までの10年間を見据えた計画をもとに設定しています。

 

 

(2)建設改良費の考え方

建設改良費

 施設の整備や拡充などを行う建設改良事業については、今後、老朽化した施設の計画的な更新と施設の耐震性能の向上を図るために、基幹管路などの大きな配水管を対象に優先的に進めます。

 これらの事業に対して、1年間に平均約14.3億円の支出を計画しております。その内訳は『管路工事10.3億円、構造物・設備3億円、人件費1億円』を計画しています。

 また、これらの事業で、管路の更新にかかる期間を130年から100年と早めることができ、特に基幹管路等の大きな配水管(1,090km)については、おおむね60年で更新することができます。

 

 

(3)企業債

企業債残高の見通し

 企業債残高は、計画的に返済し、10年後には簡易水道事業統合前の残高程度までに減少する見込みです。具体的には年間3億円の借入を行う予定です。

 施設の更新や耐震化を計画的に進めるため、適正な金額の借入をし、現役世代の料金水準の維持と将来世代の著しい負担の増加とならないように世代間の公平性を図り、健全な事業運営に取組みます。

 

 

(4)内部留保資金残高

内部留保

 経営の安定化と施設の継続的な更新に取組んでいくため、必要な内部留保資金残高は年間料金収入の見込みの約半分である15億円程度と考えています。

 改定前はオレンジ色の線で、改定後は青色の線で示しておりますが、料金改定を行うことで内部留保資金残高を維持できることが分かります。

 

5.料金改定

(1)新料金表

料金改定~新料金表

 現在、本市は口径別料金体系を採用しています。水道メーターの口径により区分し、使用水量により基本料金と従量料金を設定する体系のことを言います。

 平均改定率は、料金の算定期間・建設改良費・企業債・内部留保資金残高の条件を踏まえ、供給単価を現行の160円を180円とする12.5%の引上げとしました。

 一般家庭で多く使われる口径13mm~25mmの小口径ですが、家計への影響を考慮して、基本料金は平均改定率より抑えた10.5%としています。

 使用水量により変動する従量料金についても、できる限り給水原価を下回る範囲での引上げとしました。また、従量料金区分の50㎥を超える区分を1つの区分に統合しました。

 excelファイル「R2.4~料金表」をダウンロードする(XLSX:1.4MB)

 

(2)一般家庭における使用料金

(例)一般家庭(口径13mm~25mm)が2か月に水道水を40㎥利用した場合の料金

  【現 行】 5,900円(1か月あたり 2,950円)   

   ⇒ 【改定後】 6,660円(1か月あたり3,330円)

 pdfファイル「R2.4~料金表(口径13~25mm)」をダウンロードする(PDF:530kB)

 

(3)島根県内8市等の家庭用月額料金比較

8市比較2

 島根県内における料金改定後の水準は、県内8市では2番目に安い料金です。

6.料金改定の時期

料金改定の時期

 料金の算定期間を令和2年度から令和5年度の4年間としたこと及び周知期間を考慮したうえで、令和2年4月1日から使用する水道料金に適用させていただきます。

 改定前から継続して利用される場合は、改定以降最初の検針までは現行の料金で計算し、次の検針分から改定後の料金となります。

 検針は2か月に1回行っており、お住いの地域ごとに検針月を定めていますので、検針票等でご確認ください。

 

7.今後の水道料金

 今後も、4年を目安に水道料金等審議会を設置して、適切な水道料金等の検討をするとともに、事業運営を適切に行い、できる限り安い水道料金となるような経営に取組みます。

 皆さまにはご負担をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いします。

 

8.水道料金改定の説明会を開催しました。

1.日程及び場所

日程会場 説明会状況

 

2.説明会でお配りした資料

 pdfファイル「説明会資料」をダウンロードする(PDF:381kB)

 pdfファイル「説明会資料(追加分)」をダウンロードする(PDF:699kB)

 

3.主な意見・質疑

 Q 県内・県外の事業体との料金差の要因は何ですか。

 A さまざまな要因があります。例としては以下のとおりです。

  ◇給水区域における地理的要因(面積、高低差、水源の種類・質・量)

  ◇人口規模や人口密度

  ◇設備の状況(浄水場等の施設数、1人あたり管路延長等)

 

 Q 水道法改正にともない、民営化は考えておられますか。

 A 現在のところ、民営化の考えはありません。理由としては、以下のとおりです。

  ◇コンセッション方式の導入は、概ね30万人以上が経営メリットの目安。

  ◇人口規模や地理的要因などから考えて、民間での運営は難しい。

  ◇災害発生時の対応、非採算地域の取扱い、民間企業の経営状態悪化による継続困難事態への対応。

 

 Q 下水道使用料の改定予定はありますか。

 A 下水道事業は今年度から公営企業会計に移行して運営しています。

    今後、決算状況や運営状況を踏まえて、検討していくことになります。

 

 Q 今後、どのように周知を図られますか。

 A 12月に発行する「出雲の水」に料金改定に関する記事を掲載し、全戸配布(斐川町・島村町を除く)します。

   また、令和2年4月の改定時期に合わせて、メーター検針時にチラシを投函する予定です。