令和6年4月から下水道使用料を改定します
2023年12月11日
【内容】
1 使用料改定の経緯
2 下水道整備の役割
3 下水道の整備状況
4 経営状況
5 使用料改定
6 今後の下水道使用料
7 下水道使用料改定の説明会を開催しました
1 使用料改定の経緯
令和4年7月 出雲市長から出雲市上下水道料金等審議会へ「下水道使用料の額」と「改定の時期」に
ついて諮問を行いました。
令和5年1月 出雲市上下水道料金等審議会から出雲市長へ答申
改定率:18% 改定の時期:令和6年4月1日
附帯意見:現在の経済状況や改定率に鑑み、市民負担への影響を考慮し一時的に大幅な
負担増とならないよう配慮をされたい。
令和5年9月 出雲市議会で出雲市公共下水道使用料条例等一部改正(使用料改定)を可決
審議会委員は、税理士等の有識者、地元企業や各種団体及び市内各地域からバランスよく選出された地元代表者4名を含む12名の委員により、約7か月にわたり7回の審議会を開催して慎重な審議と検討を行いました。
詳しい審議会状況等は、下記からご覧ください。
出雲市上下水道料金等審議会【第1回】を開催しました
出雲市上下水道料金等審議会【第2回】を開催しました
出雲市上下水道料金等審議会【第3回】を開催しました
出雲市上下水道料金等審議会【第4回】を開催しました
出雲市上下水道料金等審議会【第5回】を開催しました
出雲市上下水道料金等審議会【第6回】を開催しました
出雲市上下水道料金等審議会【第7回】を開催しました
出雲市上下水道料金等審議会から答申書の提出がありました
2 下水道施設の役割
各家庭や工場から出る汚水は、敷地内にある「公共ます」と呼ばれる「ます」に集められ、そこから下水道管に流れます。
下水道管は、汚水が自然に流れるように、傾斜をつけて埋められています。また、地面からあまり深くならないように、ときおりポンプ施設を設け、汚水を深い所から浅い所へくみ上げ、再び下水道管に通します。
このようなことを繰り返しながら、下流のほうへ流れて行き、最終的には下水処理場へ運ばれます。
3 下水道の整備状況
(1)出雲市の汚水処理
出雲市の汚水処理は、集合処理と個別処理の2つに分けられます。
集合処理は、公共下水道、特定環境保全公共下水道、農業集落排水、漁業集落排水、小規模集合排水の5つで、出雲市汚水処理施設整備計画図の色がついている部分です。
一方、図で色がない部分は個別処理で、合併浄化槽を市が設置するものや個人が設置するものになります。
(2)汚水処理人口普及率(整備手法別)
(3)汚水処理の地域別状況
(4)汚水処理の地域別・整備手法別普及率
(5)令和4年度末 島根県の汚水処理人口普及率(市町村別)
県の東部・隠岐地域で整備が進んでおり、県全体の普及率は83.0%で、出雲市の普及率は
89.8%です。
(6)下水道施設の維持管理の状況
(7)下水道施設の老朽化
下水道施設の老朽化の様子について、4件ご紹介します。
老朽化した施設をそのままにしておくと、下水道管が土砂で詰まって下水が流れなくなります。また、道路が陥没したり、マンホールの蓋が外れたりして、重大な事故の原因となります。
ここでは、ほんの一例を紹介しましたが、このほかにもいろいろなところで、老朽化が進んでいます。これらを修理するための費用を含め、維持管理に要する費用は、年間15億円~16億円となっています。
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4 経営状況
(1)出雲市下水道事業の経営戦略(令和4年6月改定)
令和4年度に改定した下水道事業の中長期的な経営の基本計画『経営戦略』での収支計画を示したものです。計画期間は、令和5年度から令和14年度までで、計画では資金の枯渇を防ぐために下水道使用料を改定し、増収させるシミュレーションとしています。この計画に、下水道使用料を改定しない場合の下水道使用料、純利益、内部留保資金残高の3つを「改定なし」として、追加しています。
収益的収支の表の1は、下水道使用料を改定しない場合、使用料収入は、20億円から21億円で推移し、今後大きな増加は期待できない状況を示しています。
2の純利益は、使用料を改定しない場合には、1億円から2億円で推移します。
3の収益的収支の他会計負担金と、資本的収支の他会計負担金は国の定めるルールに基づき、一般会計が負担するお金で、一般会計繰入金とも言います。収入の一つでもある他会計負担金は、銀行などからの借入金である企業債の返済が進むのに伴って、減少していきます。
資本的収支の表の4は、下水道施設を整備するために支出する建設改良費です。令和8年度までは公共下水道の整備を継続することから20億円台で推移しますが、令和9年度からは施設の維持や更新が主流となり、8億円程度で推移する見込みです。
5の資本費平準化債は、4の建設改良費の財源として、過去に借入をした企業債の返済にあてるものとして、利用者負担の世代間格差をなくす、平準化する目的で、特別に認められている借入金です。この資本費平準化債は、制度上の理由で、令和14年度には新たな借入はできなくなり、収入としてはゼロとなります。
資本的収支の表の差引(収支不足額)については、収入である3の他会計負担金と、5の資本費平準化債の大きな減少を受け、収支不足額は増加していく見込みです。
6の内部留保資金は、使用料を改定しない場合、令和10年度に枯渇し、資金不足となる見込みです。
(2)水洗化人口と有収水量の推移及び推計
下水道使用料の増減に関わる数値を推計したグラフです。
黄色の棒グラフの水洗化人口(下水道を使用する人の数)は、今後大きな伸びは期待できず、令和9年度には108,392人、令和34年度には108,003人と、中長期的には人口減少等の影響を受けて、緩やかに減少していくと見込んでいます。
赤色の線グラフの有収水量(下水道使用料の対象となる汚水の量)についても、人口減少や節水型機器の普及により、今後、大幅な増加とはならず、ほぼ横ばいで推移すると見込んでいます。このことから、下水道使用料についても、将来、大幅な増収とはならないと見込んでいます。
(3)企業債残高及び元利償還金の推移(元利別)
他会計負担金(一般会計繰入金)の増減に関わる借入の返済について、推計したグラフです。赤色の線グラフの企業債残高は、令和4年度の約613億円から、令和14年度には約369億円まで減少していきます。
また、棒グラフの元利償還金額も、令和4年度の約56億円をピークに今後10年程度は多額の返済が続きますが、以後は、低い水準で推移していくことを示しています。
(4)各種数値の推移と将来推計<下水道使用料を改定しない場合>
5 使用料改定
(1)使用料改定の必要性
(2)下水道使用料の改定内容
改定率は、現行の使用料から18%の引き上げとなります。ただし、使用されている方の急激な負担増とならないよう、令和6年度から2か年で、段階的に改定します。
具体的には、令和6年4月1日に現行から8%引き上げ、令和7年4月1日に現行から18%引き上げます。
(3)下水道使用料の見通し<下水道使用料を改定した場合>
下水道使用料について、改定しない場合と改定した場合を比較したグラフです。
青色の改定しない場合は、使用料が横ばいのまま推移しますが、赤色の改定した場合は、令和7年度以降、約25億円で推移します。
(4)内部留保資金の見通し<下水道使用料を改定した場合>
内部留保資金について、下水道使用料を改定しない場合と改定した場合を比較したグラフです。
緑色の改定しない場合では、内部留保資金が令和10年度に枯渇してしまいますが、赤色の改定した場合では、枯渇しない見通しを示しています。
なお、令和19年度に内部留保資金残高が最も低く、厳しい状況となり、ここを乗り切れば上向きとなる見通しです。この見通しですが、まず、今後、企業債の返済が進み、企業債残高が減っていくのに伴って、一般会計からの繰入金が減っていきます。さらに、資本費平準化債も令和14年度にはゼロとなることで、令和19年度が一番厳しい時期となります。しかし、これ以降は、企業債の返済が少なくなりますので、内部留保資金が回復することとなります。ただし、この見通しは現在の状況から想定したものを示しており、今後大きな状況の変化、想定を超える状況となった場合は変わります。
(5)【従量制】改定後の下水道使用料(1か月あたり)
「R6.4~下水道使用料早見表(改定率8%)」をダウンロードする(PDF:86kB)
「R7.4~下水道使用料早見表(改定率18%)」をダウンロードする(PDF:86kB)
(6)【従量制】(例)2か月で40㎥の汚水を流した場合の使用料
(7)【従量制】1か月あたり使用水量区分(8㎥、16㎥、20㎥)の現行使用料との差額
使用水量が8㎥以下は、基本料金内で収まる方で、主に単身世帯の方です。
使用水量が16㎥は、令和4年度の出雲市の一般家庭の平均使用水量です。
使用水量が20㎥は、一般家庭の使用料を各自治体間で、比較する場合によく使われる使用水量で、一般的な4人までの世帯です。
(8)【従量制】1か月あたり使用水量区分(50㎥、100㎥、500㎥)の現行使用料との差額
使用水量が50㎥、100㎥、500㎥は、大人数の世帯や事業所の1か月あたりの使用水量です。
(9)【人数制】改定後の下水道使用料(1か月あたり)
(10)【人数制】(例)世帯区分が2人世帯の2か月の使用料
(11)島根県内8市の下水道使用料(従量制)比較グラフ
(12)島根県内8市などの水道料金・下水道使用料比較
島根県内8つの市、斐川宍道水道企業団の各事業体の水道料金と下水道使用料を合計した額を比較した表です。
下水道使用料は、2か月に1度、水道料金と一緒に請求させていただいておりますので、水道と下水道の料金を合計した場合の金額の順位を比較したものです。
(13)使用料改定の時期(令和6年4月1日からの適用)
改定前から継続して使用される場合は、改定以降最初の検針までは現行の使用料で計算し、次の検針分から改定後の使用料となります。
検針は2か月に1回行っており、お住まいの地域ごとに検針月を定めていますので、検針票等でご確認ください。
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6 今後の下水道使用料
今後も、常に経営状況を注視するとともに、下水道事業の更なる健全な経営に取り組むなど、適切な下水道使用料となるよう、経営努力を続けてまいります。
物価高騰の折、皆さまには大変なご負担をお願いするようになりますが、後世に負担を先送りにしないため、何とぞご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。
7 下水道使用料改定の説明会を開催しました
(1)開催日及び会場
写真:多伎コミュニティセンター 大ホール
(2)説明会でお配りした資料
「下水道使用料改定説明会資料」をダウンロードする(PDF:11.2MB)
(3)主な意見・質疑
Q:今回は下水道使用料の改定ですが、水道料金の改定予定はありますか。
A:出雲市は令和2年度に改定したばかりで、当面は予定していません。斐川地域は、斐川宍道水道企業団ですが、現在審議会を開催して検討中と聞いています。
Q:下水道はライフラインであり、今後、使用料改定は何度も行わないようにしていただきたいです。
A:下水道事業が公営企業化する以前は、30年の長期財政計画を立てていませんでした。国からの指導もあり、使用料改定を行う際などに状況を説明できるよう、長期財政計画を策定しています。世界情勢などの不確定要素もありますが、今後、当面の間、改定は不要であると見通しています。
Q:今後、どのように周知を図られますか。
A:令和6年4月の改定後、最初のメーター検針時にチラシを投函する予定です。(人数制の世帯には、郵送予定です。)
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